タイがつないだきずな

タイが大好きだった女の子

お手紙

九月末のある日のこと、パパが何気に「ママさん、桜ちゃん(仮名)のお手紙が出てきたよ」って以前良くお店に足を運んでくださった女の子のメモ用紙に書かれた手紙を見て言ったんです。

「最近お店に来ないけど元気にしてるかな」

ずーと前に桜ちゃんがタイ人のパパさんに贈てくれたタイ語でかかれた感謝のメッセージ。棚かどこかに置き忘れどこにいったのかもすっかりわからなくなっていたのに、なぜかこの日ひょっと出てきたのです。

「そうね、メールしてみようかしら…」

その二日後、Facebookをとおしてラコックアを見つけてくださった桜ちゃんのお母さんから一通のメールが入っていました。

「生前桜が良く私に『タイ料理のお店を経営している大好きなパパさんママさんがいて良くそのお店に行ってるんだよ』って言って話して聞かせてくれたんです。その桜が大好きだったタイ料理のお店を訪ねてみたいと思っていたんですがお店の名前がわからなくて探していたんです。そしたら娘の名前で検索したらそちらのお店のFacebookに行きつきました」

桜ちゃんの死を知らせるメールでした。

驚いて声も出ませんでした。タイが大好きでタイ語を学ぶために東京の大学に入った桜ちゃんは、開店当時からのお客様でした。大学が休みになるとはお店に来てくれてパパと楽しそうにタイ語で会話をしていました。卒業後の夢は、タイの病院で医療通訳者として働きバンコクに住むタイ人の彼氏とタイで結婚式をあげることって話していたのに。あの、桜ちゃんが亡くなった!?

「ママさん、日本での披露宴はラコックアでするから、よろしくね!」ってとっても幸せそうな笑顔で私に話してくれた桜ちゃん。その、桜ちゃんが亡くなったなんて…。

パパさんに桜ちゃんのお母さんのメールの事を話すと「じゃあ、手紙が出てきた日はちょうど桜ちゃんが亡くなった日だよ。桜ちゃん、ラコックアにもお別れのあいさつに来てくれたんだよ」と、パパさんも涙目で桜ちゃんからのお手紙を見詰めていました。

出会いと別れ

それから数日して桜ちゃんのお母さんが見えられました。桜ちゃんからのお手紙を渡すと、涙ながらに生前の桜ちゃんの様子を話され、桜ちゃんの大好きだったタイ料理をご注文してくださいました。

一時間ほどして別れ際に「実は、桜の大親友のアケミさんという女性に会って桜が生前お世話になったお礼を申し上げたいと思って探しているのですが、私自身はアケミさんと会ったことがなく、また、『アケミ』と言う名は桜が付けたニックネームで本名も連絡先もわからないのです」とおっしゃって一枚の写真をお出しになりました。そして「もし、この女性がお店に来られたら私の連絡先をお伝えください」と深々と頭を下げお帰りになったのです。

すると、驚くことにお母さんがおいでになったその翌日アケミさんがお店に現れたのです!まるで、桜ちゃんがラコックアにみんなを引き合わるかのように。

さっそくアケミさんに事情を話すと、桜ちゃんのお母さんに連絡をとってくださりラコックアでお会いになることになりました。食事会の当日は、亡くなった桜ちゃんのタイの彼氏もお母さんと一緒に来てくださりました。

タイの彼氏さんは、桜ちゃんがお店にくるといつも座っていた席に腰かけ、こみ上げる感情を抑えきれないかのように男泣きしていらしゃいました。

お母さんは、「桜からは、写真をもらったり三人でスカイプ通話をしたりしていたので桜の彼氏のことは前から知ってるんですけど実際に彼と会うのはこれが初めてなんです」と涙ながらに話されていました。

こんな不思議なこともあるのですね。

みんなを引き合わせてくれたのは桜ちゃん。でも、その桜ちゃんの姿はここにない。いいえ、もしかしたらこの日桜ちゃんもお店に来てくれていたのかもしれません。きっとそうに違いないって思います。

私が体調を崩して入院したとき「ママさん大丈夫ですか?」とお手紙やメールで心配してくれた心優しい桜ちゃん。お店に来てくれる時はいつもとっても元気いっぱいで病気のそぶりなど一つも見せず素敵な笑顔で私達を幸せにしてくれた桜ちゃん。イラストをかくのがとっても上手でお店にもかわいいイラスト付きのカード何度も送ってくれた桜ちゃん。

もう会えないのですね…。

ラコックアを愛してくれてありがとう。素敵な出会いをありがとう。ママはこれからもがんばるから、桜ちゃん、天国から応援してね。

桜ちゃんの心からのご冥福をお祈りします

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  1. 2015年 1月 17日
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